【猫の避妊手術】メリットとデメリットは?いつから?どんなことをするの?
2023/05/09
メス猫の避妊手術をすることで望まない出産を防ぎ、女性ホルモンに起因する病気や発情による行動を抑制することができます。
全身麻酔をかけてお腹を開けての手術になるのでハードルは高いと思いますが、発情行動がなくなることで生活の質(QOL)を改善できる場合があります。今回はメス猫の避妊手術について解説していきます。
当院では避妊手術は生後5か月以降に実施することをオススメしています。
高齢になってくると全身麻酔のリスクが上がってくるため、若いうちに実施しておいた方が回復も早いです。
<メリット>
・ホルモンによる性衝動がなくなるので、発情による各種行動が抑えられます。
ただし元々の性格は変わらないので、術後必ずしもおとなしくなるとは限りません。
・卵巣を摘出するので、子宮は萎縮し女性ホルモンに起因する病気を防ぎます。
(卵巣腫瘍や子宮蓄膿症を防ぎ、乳腺腫瘍の発生率が下がります。)
・望まない交配を防ぐことができ、妊娠することがなくなります。
<デメリット>
・全身麻酔をかけての開腹手術になるので、麻酔のリスクがあります。
・二度と子どもを産むことができなくなります。
・代謝の変化により太りやすくなります。
【猫の避妊手術ってどうするの?】
当院では、当日の血液検査で異常がなければ全身麻酔をかけて下腹部の広範囲を毛刈りします。
洗浄、消毒した後におへその下の部分から切開して皮膚の下にある腹膜をさらに切開します。お腹の中を確認し、Y字の形をしている子宮の先にある卵巣を2つとも切除して腹膜・皮膚をそれぞれ縫合してお腹を閉じます。
異常がない限り子宮はそのまま残しますが、何らかの異常がある場合にはさらに切開を広げて子宮も摘出する場合もあります。
※子宮は卵巣を取り除くことでホルモンの供給が断たれ、萎縮して子宮本来の役割を失います。ホルモンが関与する疾患は卵巣がなければ発症しないと言われています。卵巣だけを切除する方法は傷口が小さくて済むことで縫合時間を短縮し、ひいては麻酔時間を短縮するメリットがあります。子宮に何らかの異常があって子宮も摘出する場合は、傷口が大きくなったり麻酔時間が長くなったり負担は大きくなります。
【当院での猫の避妊手術の流れ】
・電話もしくは来院で手術の予約(予約が必須になります。事前に確認の為、初診の方は来院をお勧めしています。)
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・手術当日はフードを食べさせずに10:30までに来院して頂き、病院でお預かりさせていただきます。
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・血液検査で異常がなければ、手術を進めさせていただきます。
体調がすぐれなかったり、明らかな血液検査の異常がある場合は中止させていただきます。
↓
・手術が終了し麻酔が覚め次第、飼主さんに連絡。お迎え時間の目安をお伝えします。
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・次の日ないし夕方以降にお迎え
※基本的に一泊入院後にお迎えが可能です。
入院時に明らかにストレスがかかって安静にできない場合や、入院そのものが過度に精神的負担がかかるような性格の子の場合は日帰りで対応する場合があります。
抜糸は10日後以降になります。糸を取るだけですので予約がなくてもかまいません。
【猫の避妊手術の費用】
全身麻酔をかけての処置になるので、健康な子であっても必要最低限の血液検査をさせていただきます。手術費用、麻酔費用、入院費用、抜糸費用を込みで以下の費用になります。
ただし、退院時に必要な抗生剤、エリザベスカラーの費用が別途1000〜1500円前後かかります。エリザベスカラーをお持ちの方はお預け時にご持参ください。
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ときわ動物病院
〒841-0052
佐賀県鳥栖市宿町1430-6
電話番号 : 0942-85-9420
佐賀でペットの避妊について相談
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